特定調停
特定調停とは裁判所を利用して行う任意整理です。
裁判所の調停委員が債権者と債務者の間に入って話し合いを進めてくれる為、弁護士や司法書士に依頼しなくても手続きに迷う事なく手続きをする事ができます。
自分で比較的簡単にあまりお金をかけずに手続きできる為、平成12年の特定調停法施行当初は特定調停を利用する方は多かったのですが現在では減少傾向で、弁護士や司法書士に依頼して任意整理を行う方が増加しています。
その一番の理由は特定調停をすると延滞した場合の差し押さえが容易になる事です。特定調停の場合、債権者は調停調書により、債務者が2回以上の滞納をすると直ちに給料差押え等の強制執行がとれるようになります。
任意整理の場合は整理後に延滞しても直ちに強制執行される事はありません。
その他にも任意整理と比較するとメリット、デメリットあるので下記を参照して下さい。
特定調停の一番のメリットは弁護士や司法書士に頼まなくても自分でできるので費用が安く済む事です。
時間が充分にありしっかり計算ができ、返済も滞りなくできる方はこの方法が良いかもしれません。
任意整理と特定調停はどちらが良いのか
任意整理と比較して特定調停が勝っている点はなんと言っても費用があまりかからないところです。
弁護士や司法書士に頼まなくても可能ですから費用が安く済みます。
それに比べて特定調停の方が分が悪いと思われる点は下記に述べます。
任意整理と比較して特定調停が劣る点
- 調停調書通り返済できないと直ちに給料差し押さえ等の強制執行をされます。
- 過払い金が発生している場合は別途、過払金返還請求訴訟を起こす必要があります。
- 調停日に裁判所に出廷しなければなりません。
- 調停成立までに最短で2ヶ月以上かかりその間の遅延損害金を請求されたり、任意整理では免除されるハズの将来利息を支払わなければならなくなる場合があります。
- 調停委員は債務整理のプロでは無いので自分がしっかり引き直し計算をしないと結果的に弁護士等に頼むより損をしてしまう事も有ります。
- ヤミ金には対応していません。
- 裁判所から自宅に通知が送付されるので家族にバレます。
特定調停と任意整理共通のメリット
- 引き直し計算で残債が減少します。
- 分割払いなど支払いやすい方法をとれます。
- 資格制限のある職業に就けます。
- 整理をする対象の借金を選べるので連帯保証人に迷惑をかけずに手続き可能です。
- 財産を手放す必要はありません。
- 破産者名簿に掲載されません。
- 官報に掲載されません。
特定調停と任意整理共通のデメリット
- 借金が帳消しにはなりません。引き直し計算で、残債があれば払う必要があります。
- 貸金屋の利用する信用情報(ブラックリスト)に載り借入れが今後約5年間出来なくなります。
- 債権者の同意を得る必要が有ります。